Since 08.02.27   舞(乙)-HiMEの二次創作SSを投稿。なつき×静留、ナツキ×シズルが中心。
母さん、元気ですか。
デュランはあなたを護ってくれていますか。



しがみついて、何度も身を震わせて。
彼女は涙を流し続ける。
堰を切ったように。心の澱が溶け出していくかのように。

時間はただただ、ゆっくりと流れ。
静留が息づくのを感じながら、穏やかに待つ。


やがて。
湿り気を帯びた私のパーカーの肩口を握り、すん、と鼻をすすって。
いつになく幼く映る静留が、おもむろに口を開いた。


「・・・て」

「うん?」


「もう一回。最初から、言うて」



不意に抱きすくめられて、身が硬直する。
そんな自分に頓着する様子もなく。なつきの声が至近距離で鼓膜を揺らす。

「なあ、静留」

「なん・・・?」

煩いほどに脈打つ心臓の音。もはやどちらのものなのか。


「あの時のこと。――覚えているか?」


それはいつのことを指しているのかと。わざわざ問い尋ねるまでもない。
返事の代わりに、きゅっ、と彼女の細い首にしがみついた。



「・・・あ?」

口をぽかんと開けて。瞬きすら忘れて。
今、自分はさぞかし間抜け面を晒していることだろう。

だけど、何だって?
聴こえた言葉がさっぱり理解できないんだが。

・・・私は頑張っていたよな、今。 なあ。 口下手なりに、一世一代の告白を。


それが―


「なんで・・・舞衣??」



―伝えなきゃいけないことがある―

凛としたその声に、もうさっきまでの涙は絡んでいなくて。
びくりと身体を強張らせる静留。

それを感じ取ったのか、なつきの手が優しげに亜麻色の髪を梳いてゆく。


見つめ返す緑眼は穏やかで迷いがなく。
自分の心の平静さを容赦なく奪い去る。


怖いんよ。
うちは、あんたが。
――綺麗なあんたの、その残酷なまでの純真さが。



己へと向いてしまう矛先を、必死で一番地へと向けて。
その凶暴な感情に、復讐という名をつけた。


母の事は愛していた。

だが、迷いだらけのその想い。
デュランの小さな身体に表れていたのかもしれない。


幾年が過ぎても。思い出す胸の痛みは鮮明で、なつきに熱い涙を流させた。



あなたが、そんなにも不安そうに見つめるから。
言葉を選ぼうと必死に足掻く。 

今まで伝えてこなかった。
受け取る努力もしなかった。 

――その代償は、大きい。 

ああ。察してもらうわけには・・・いかない、よな


 「なあ、静留」

すこし話をしてもいいかな


[1] [2
  HOME   : Old  »
カウンターとか
▲10/1、SSSを1つ追加。(計9つ)

nextキリ番:任せた!
カレンダー
02 2010/03 04
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
最近のコメント
[02/14 NoName]
[11/18 clover]
[11/09 NeZ]
[11/08 五々木]
[10/13 NeZ]
管理人へ一言。
メアドをご記入頂いた場合は、そちらに御返事致します。
Powered by SHINOBI.JP
プロフィール
名前:NeZ

あ、どうも。こんなブログへようこそ。
一般人が趣味でほんのりやってるものであり、公式の何かとは一切関係はありません。
リンクは全然ご自由に。
でも当SSの無断転載とかは勘弁して下さい。せつなくなるので。
ブログ内検索
携帯Version
ブログパーツ 忍者ブログ

CAUTION: Any characters of Mai-Hime and Mai-Otome belong to Sunrise.

Copyright (C) 2008 NeZ All Rights Reserved. ...about all the fictional stories on this blog site.